ミステリーショッピングの基礎知識
ミステリーショッピングの名前の由来
ミステリーショッピングとは、日本語で言うと「覆面調査」となります。アメリカで始まったマーケティング調査のなかの一つで、日本においてもすでに知られるものとなっています。
ミステリーショッピングという名称は、顔や素性を明かしていない一般客を装った調査員(「Mystery Shopper:なぞの買い物客」)が調査を行うことからきていると言われています。
企業が本当に顧客満足度の高いサービスを提供できているかどうかは、その企業内の人間ではなく、第三者が調査を行うことで初めて把握できるものです。さらに調査員ということが分かってしまっては「本来のサービス」に対する調査結果が得られません。そこで登場したのがこの調査手法なのです。
ミステリーショッピングを行う調査員には、一般消費者目線を持った一般公募のミステリーショッパーと、専門的な目線で調査する専門調査員とがあります。
ミステリーショッピングの信憑性
いまやミステリーショッピングは、アメリカにおいてはサービス業をはじめ公共機関にもすでに導入されており、500以上の調査機関がこの調査手法を使って顧客満足度を調査しています。日本においても飲食店のほか、美容室やエステサロン、物販系のサービス業などでも導入されつつあります。
ではミステリーショッピングでの顧客満足度の調査はどのくらい信憑性があるものなのでしょうか。
まず、ミステリーショッピングの大きな利点として、顔の割れていない人間が調査を行うことで、「本来のサービス」に対する評価を行うことができます(企業内の人間が調査を行っても、例えばその時だけサービスが良くなってしまったり、調査目線にバイアスがかかることが多く、信頼できる調査結果は得られません)。また、ミステリーショッパーが実際にお客様と同じ視点でサービスを受けることで、お客様が実際に感じるであろう不満に思うサービスや受けて嬉しいサービスを報告することが出来ます。これはサービスの改善やスタッフの意識改革に重要なデータとなります。
ただしミステリーショッピングの調査法では、基本的に一人で調査を行うのでミステリーショッパー個人の好みや客観性を欠いた思い込みなどで評価してしまうといった危険性もあります。そこで調査を行う一部の機関では、誰が調査しても同じ評価が出るようにぶれない調査設計を行い、調査を実施しています。さらにミステリーショッパーには時間帯や来店する人数・性別・年齢層などの制限をつけて、より的確に評価を行うようにしているのです。
このように一般消費者(第三者)がサービスを評価することによって、企業側は今まで知ることができなかった顧客満足度を把握することが可能となり、さらに調査を重ねることによってミステリーショッピングの信憑性は増していくのです。とくにサービスを重点的に売りにしている企業など、今後もミステリーショッピングを導入していくところが増えるでしょう。また、サービス業だけでなく医療機関や公的機関などにもミステリーショッピングの導入が進んでいくと考えられています。
世界のミステリーショッピング
日本でも耳にすることの多くなったミステリーショッピングですが、インターネットなどで選ばれたミステリーショッパーが実際にサービスを受けて調査票に回答し、すべて要件を満たした回答者に対して報酬が支払われるというものが主流となっています。今や日本においてもミステリーショッピングの調査対象業種はどんどん広がっていますが、世界のミステリーショッピングはどんなものがあるのか見ていきましょう。
まず、ミステリーショッピングが生まれたアメリカでは、大手企業が顧客満足度を測るためにこの調査法を利用するのは、いまや当たり前のことになっています。調査を行うミステリーショッパーを提供する調査機関も次々と登場し、一つの業界として完成されていると言えます。MSPA(Mystery Shopping Providers Association)という米国最大のミステリーショッピング協会が運営されていることからもお分かり頂けると思います。
また、イギリスではミステリーショッパーの信者が教会を調査するというものや、イギリス政府が立ち上げた「若者専門のさまざまな悩みに対する専門アドバイザーの相談窓口」でもミステリーショッピングを導入し相談の満足度を調査しました。調査結果はというと、残念ながらそれが裏目に出てしまい最悪なものになったようですが、現状を正確に把握できたことで、今後の改善という意味では十分に意味あるものであったと言えるでしょう。
さらにシンガポールでもミステリーショッピングは導入されており、The Singapore Servise Star(シンガポール・サービススター)というプログラムが登場しました。これはシンガポール政府観光局が立ち上げたものですが、対象となるホテルやレストラン、土産物屋などに対してミステリーショッピングの調査を行い、料金やサービスの質などを調査して一定基準を上回った店舗には優良店のマークを与えるというものです。1店舗当たり数回の調査が行われるようで、このような基準の存在は、同国の観光政策に一役かっています。
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